立教女学院小学校は1931年に設立された歴史ある東京都のカトリック女子校です。
すべての教室にWi-Fiが設置され、iPadを用いたICT教育、オンライン授業への対応も行われています。
立教女学院小学校行きのバスも出ており、アクセスも非常に充実しています。
進学に関しても、多くが内部進学で系列の学校に進学していくようです。
当記事では、そんな立教女学院小学校の学校生活から入試対策まで、私立小学校入試に実績のあるTAMが解説していきます。
立教女学院小学校の基本情報

■住所
〒168‐0082
東京都杉並区久我山4‐29‐60
TEL:03‐3334‐5102(代表)
FAX:03‐3334‐5279
公式サイト:立教女学院小学校
交通情報
- 京王井の頭三鷹台駅 徒歩1分
- JR中央線西荻窪駅南口から関東バス「立教女学院行き」(乗車時間約10分)
基本情報

経営 | 学校法人立教女学院 |
共学・男女別 | 女子校 |
生徒数 | 432名 |
制服 | なし |
給食 | あり |
制服

【出典】立教女学院小学校
立教女学院小学校には制服はなく、服装は自由です。
個人によって好みや色彩感覚が異なるため、自分に合うもの、TPOに合ったものを自分で考えて選ぶ力をつけてほしいと小学校が説明しています。
教育理念・教育方針
立教学院小学校では、3つの教育目標が掲げられています。
<健康で明るい子>
健康とはバランス感覚のことでもあり、不安定さにさらされても持ちこたえる健康でやわらかいバランスが必要です。
<すすんで行動する子>
他者のために自分の力を惜しみなく使える人に、それを喜びとする人に育ってほしいとされています。
<まわりの人を大切にする子>
まわりの人を大切にする思いやりと共感的な心が大切です。
立教女学院小学校は、学校で学ぶ大切な点を「多くの人と交わり自分の個性や力に目覚め高め合って成長していく」ことと考えています。
キリスト教を価値の基礎とした良い習慣を繰り返しみにつけさせ、人間としての品格の良さの下地を育むことを目標としています。
立教女学院小学校のカリキュラム

立教女学院小学校では、「学びたい」気持ちを育てる授業が展開されています。
低学年では友達と元気に遊ぶ機会が大切にされており、1・2年生の間は「なかよし」という時間が週1時間設けられているようです。この時間、お子さんたちは外で自由に遊んだり、大きな集団で遊んだりして、仲間との関わり方を学びます。
また、行事を通じ、集団の一員としての役割や行動の仕方を身につけるよう指導されています。
高学年の教育においては、自主的・主体的な学習が重視されています。
それまでに培った基礎力のうえに、発展的な内容も視野に入れた教育が実施され、授業の質は非常に高いです。
教科の学習に加え、全校生徒の前での聖書朗読、各種委員会を通じてリーダーシップを養うよう指導されています。
立教女学院小学校の学校生活
クラブ活動・委員会活動

立教女学院小学校では、4年生になると毎週水曜日の放課後に行われるクラブ活動に参加します。クラブ活動は生徒が自由に選ぶことができ、さまざまなクラブが設置されています。
器楽クラブ | 運動クラブ |
美術クラブ | サッカークラブ |
ミュージカルクラブ | バドミントンクラブ |
手芸・料理クラブ | サイエンスクラブ |
劇クラブ | ESS |
バトン・チアクラブ | フライングディスククラブ |
コンピュータークラブ |
また、5年生以上は全員いずれも委員会または聖歌隊に属し、毎週火曜日の放課後に活動しています。
聖歌隊は水曜日のロング礼拝、イースター礼拝などで歌を披露し、さらに老人ホームなどの福祉施設で活動を行っています。
宗教委員会 | 保健委員会 |
集会委員会 | 給食委員会 |
図書委員会 | 放送委員会 |
環境委員会 | 体育委員会 |
以上のような委員会に生徒は所属し、活動を行っているようです。
立教女学院小学校の年間行事

キリスト教に関連した行事が多いことが特徴的です。
立教女学院小学校の進学情報
立教女学院小学校を卒業した生徒は、原則立教女学院中学校に進学し、中学校卒業後は立教女学院高等学校に進学します。
立教女学院高等学校を卒業した生徒の約8割が立教大学に進学します。
その他の生徒は法律系から理工系まで、さまざまな大学、学部に進学しているようです。
以下が2023年度の立教女学院高等学校の進学先の一部です。
国公立大学 | 私立大学 | ||
東京大学 | 1名 | 立教大学 | 127名 |
お茶の水女子大学 | 1名 | 慶應義塾大学 | 23名 |
東京工業大学 | 1名 | 上智大学 | 13名 |
東北大学 | 1名 | 明治大学 | 10名 |
以上の表のように、私立大学に進学される生徒が多いです。
立教女学院小学校の学費

初年度にかかる費用は約1,247,200円で、内訳は以下の通りです。
- 検定料 30,000円
- 入学金 300,000円
- 教育充実費 120,000円
- 授業料 648,000円
- 藤の会費(保護者の会) 18,000円
- 藤の会入会金(初年度のみ) 10,000円
- 給食費 121,200円
立教女学院小学校の入試を徹底対策!

ここからは、立教女学院小学校の入試情報について解説していきます。
実際に過去問題集を確認しての気づきや要点をまとめていますので、立教女学院小学校の受験を検討している方はぜひご覧ください。
また、立教女学院小学校の入試の概要は、入試要項で確認できます。
公式サイトにてチェックしてみてください。
立教女学院小学校の入試情報
入試日程
2024年度入学試験の日程は以下の通りです。
出願期間 | Web出願期間:2023年9月4日(月)12:00~10月3日(火)23:59 郵送出願期間:2023年10月2日(月)~10月4日(水)必着 ※簡易書留速達郵便に限る |
入学選考 | 面接:2023年10月16日(月)~10月21日(土)のいずれか1日 入学試験:2023年11月3日(金・祝)のみ |
合格発表 | 2023年11月4日(土)20:00 |
入学手続き | 入学金納入期限(Web):2023年11月5日(日)12:00(正午) 入学手続き(来校にて):2023年11月6日(月)14:00~15:00 |
定員・倍率
2023年度の入試結果は2023年9月15日時点でまだ公開されていません。
2022年度の入試結果は以下の通りでした。
合格者 | 志願者数 | 倍率 | |
女子 | 90名 | 653名 | 7.3 |
入試の概要について

立教女学院小学校の入試には「ペーパーテスト」「集団個別テスト」「集団テスト」「面接」があります。
ペーパーテスト

2023年度のペーパーテストにおいては「数」「言語」「位置表象」「常識」などが問われました。
立教女学院小学校では「数」の中でも「計数」「同数・多少」の分野が頻出です。
「言語」では「話の内容理解」が頻出です。
また「常識」分野はほとんど毎年出題されています。
以下、2023年度入試で実際に出題された問題を紹介します。
<数>
2023年度入試では「数の総合問題」が出題されました。
・絵を見てピンクと黄色の花の数を数え、その合計本数だけ丸を書く
・カルガモの親子にヒナが3羽加わったとき、カルガモのヒナは何羽か、その数だけ丸を書
数の問題は計数を中心に出題されます。普段の過去問演習でも数え忘れのないよう作業をするようにしましょう。
<言語>
2023年度入試では、頻出の「話の内容理解」が出題されました。
・話を聞き、登場した動物が初めに見つけた野菜のイラストに丸をつける
・海から飛び出してきたものと同じ色のもののイラストに丸をつける
立教女学院小学校の話の内容理解はほとんどが記憶問題であり、話の細部まで覚えられたかどうかで差がつきます。
また、「〇番目に~」という問題のように、時系列を問う問題もよく出題されます。
そのため、お話を楽しみつつ、流れを整理できるようにしておきましょう。
絵本の読み聞かせが対策としては有効です。
<位置表象>
2023年度入試では「四方からの観察」が出題されました。
・絵を見て机のものを反対側から見るとどう見えるか丸をつける
・机を子どもが囲んでおり、それぞれの子どもからどう見えるかを子どもとその見え方を線でつなぐ
この問題では、空間をきちんと捉える能力が求められます。
学習の際には、それぞれの位置に立ったときに物体の前後関係が捉えられているか、空間が捉えられているかを確認するようにしましょう。
<常識>
常識問題は毎年出題されています。2023年度入試では季節や生き物、昔話の理解など、分野が多岐にわたっています。
・秋の花のイラストに丸をつける(選択肢は4つ)
・リーンリーンと鳴く虫に丸を付ける
常識問題は、身の回りのことに興味関心を持っていれば特別な勉強をしなくても大丈夫ですが、関心のないものだとさっぱり分からない問題もあるはずです。
生活の中でお子さんが自然に触れる機会を増やし、お子さんが「なに」「どうして」と感じたことを保護者も一緒に考えるようにしましょう。
立教女学院小学校の入試問題は比較的難しいと言われています。
過去問を解くだけでなく、読み聞かせや、自然と触れ合う機会を設けることが対策としては有効です。
個別テスト

2023年度入試では「指示制作」と、「手先の巧緻性」を問う問題が出題されました。
<指示制作>
指示制作では、持参したクーピーペンや液体のり、ハサミを用いて制作を行うよう指示がありました。各工程ごとに時間が計測されていたようです。
お皿が書かれたピンクの画用紙、目玉焼きとブロッコリーとフォークが描かれた白い画用紙、レタスが描かれた緑の画用紙が机の中に入っており、それらを用いた制作が行われました。
①白い紙にかいてあるものに色を塗る
②レタスの線をちぎる
③切ったりちぎったりしたものにのりをつけ、ピンクのお皿に貼る
以上のような指示がされ、制作が行われたようです。
あまり難しい課題ではないですが、紙をちぎるといった、力と根気を要する作業が必要でした。
手先をうまく使う技術が求められていたようです。
<手先の巧緻性>
2023年度入試では「箸の操作」と「ひも通し・ひも結び」が問われました。
箸の操作では、先生と同じように箸を操作するよう指示があったようです。なにかをつまむのではなく、箸をカチカチと開いたり閉じたりする操作をするものでした。
いろいろな大きさ、重さの箸を使い、さまざまな形状のものをつかむ練習をすることが対策としては有用です。
ひも通し・ひも結びでは、テレビ画面に表示された映像と同じようにビーズをひもに通す課題、椅子の背もたれに蝶結びでひもをむすぶ課題が出題されました。
ほとんどの子が問題なく課題を遂行できたようですが、時折ビーズが入っているコップを倒し、ビーズをばらまいてしまう子がいたようです。
弁当の巾着にひもを使うなど、生活の中にひもを取り入れ、難なくひもを使った課題に取り組めるようサポートが必要です。
集団テスト

集団テストでは「運動」と「行動観察」が実施されました。
<運動>
立教女学院小学校の運動は、女子校の中では難易度の高いものが出題されます。
2023年度入試では、以下のような運動が出題されました。
・よーいどんの合図で、前方のコーンまでスキップする→コーンの奥に置いてある縄をとり、縄跳びをその場で10回行う
→縄を置いて走って戻る
→走り抜けて列の後ろに並ぶ
受験対策として、縄跳びや、ケンケン・スキップといったリズム跳びを練習しておくことが必要です。
幼いうちから身体づくりをしておかないと対策出来ない問題もあります。日ごろから身体を動かす機会を増やしておきましょう。
<行動観察>
2023年度入試では、聞き取りとリズム感の試される問題が出題されました。
・前にいる先生が鳴らす楽器の音を聞き、約束通りに動く
音と動きをすぐに連動させ、聞いたリズムを覚えてしまうことが要求されました。
日常の遊びの中で模倣ダンスや模倣活動を取り入れ、軽やかに身体を動かせるようにしておくことが必要です。
面接

面接は両親・お子さんの三者で行われ、父親、母親、お子さんの3人に分けて質問されます。
以下が2023年度入試で問われた実際の質問例です。
<父親に対する質問>
・本校を受験した決め手は何ですか。家庭の教育方針と合わせて説明してください。
・家族で大切にしていることは何ですか。
・お子様との関わりで楽しかったことは何ですか。
<母親に対する質問>
・本校にどのような印象をもっていますか。
・女子校についてどう思いますか。
・小学校でお子様のどんなところを伸ばしたいですか。
<お子さんに対する質問>
・お名前を教えてください。
・幼稚園(保育園)名を教えてください。
・お家では何をして遊びますか。
・お父様やお母様とは何をしますか。
また、お子さんに対しては個別課題が出題されます。
個別課題では絵が用意され、それを見ながら質問に答えます。
<例>
果物屋さんの絵が渡され、
・(絵を見て)何が売っていますか。
・ここは何屋さんですか。
・(絵の中の親子を指さして)この子は何と言っていると思いますか。
両親に対しては、学校の方針に対してどう思うか、家庭での過ごし方などが問われます。
両親で教育方針について照らし合わせておくこと、両親がともに育児に関わっていることが必要です。
両親の方針と、立教女学院小学校の教育方針のどこが合っているのかをリストアップし、それを話せる状態にしておきましょう。
お子さんには、多少拙くても自分が思うことをいきいきと話すことが求められています。
そのため、活発に話す子が高く評価される傾向があるようです。
家庭内で両親、お子さんで活発に話すように心がけていきましょう。
まとめ

立教女学院小学校はキリスト教をベースとした指導が行われる私立の女子校です。
小・中・高と内部進学でき、約8割の生徒が推薦で立教大学へと進学します。
また、入試では他の私立小学校と比べるとやや難易度の高い問題が出題されます。
日頃から幅広い対策が必要です。
家庭内の対策に不安がある方は、合格実績のある私立小学校専門塾などで対策していきましょう。
苦手に合わせて一単元から対策できますので、ぜひご家庭での対策にご利用ください。
