早稲田実業初等部はどんな学校?学校生活から入試情報まで徹底解説!

早稲田実業初等部は、早稲田大学の系列校で、120年以上の歴史を持つ早稲田実業学校が2001年に開校した東京都の私立小学校です。

初等部の開設から20年程度なことも相まって、早稲田実業学校の伝統と最先端の教育を融合した独自のカリキュラムが魅力です。とくに学校全体を通して国際教育に力を入れており、留学生やホームステイなど国際交流プログラムが豊富です。

大学までの一貫教育に力を入れており、卒業後はほぼ全生徒が中等部・高等部を経て、系列校の早稲田大学へ推薦入学します。

当記事では、そんな早稲田実業初等部の学校生活から入試対策まで、私立小学校入試に実績のあるTAMが解説していきます。

早稲田実業初等部の基本情報

■住所
〒185-0012
東京都国分寺市本町1丁目2-1

TEL:042-300-2171
FAX:042-300-2175

公式サイト:早稲田実業初等部

交通情報

  • JR国分寺駅・西武線国分寺駅 北口より徒歩7分

基本情報

経営学校法人 早稲田実業学校
共学・男女別共学
生徒数1学年108名
制服あり
給食あり

制服

冬服はブレザー+半ズボンまたはスカートを着用、夏服は男子がポロシャツ+半ズボンを、女子はワンピースを着用します。

その他、体操服やランドセル・手提げカバンも学校指定のものがあります。

教育理念・教育方針

早稲田実業学校は初等部〜高等部を通して、校是として「去華就実」、校訓として「三敬主義」を掲げています。

それぞれには以下のような意味が込められています。

去華就実

「華やかなものを去り、実に就く」

つまり「実業」の精神を育てると同時に、社会に多くの貢献をなしうる人格の育成を目指しています。

三敬主義

「他を敬し、己を敬し、事物を敬す」

早稲田実業学校第二校長・早稲田大学第二学長の天野為之氏が唱えたもので、「他人・自分・雑務から政治まで、すべて敬を持って扱えば、物事はその性能を発揮できる」との意味です。

また、これらの精神に基づいて、初等部では5つの教育方針を実践しています。

  1. 男女共学により、両性の相互理解に基づく人間性豊かな児童を育成する
  2. 一人ひとりの児童を尊重し、それぞれが持っている個性の芽を伸ばす
  3. 身体を鍛え、豊かな心を養い、確かな学力を身につける
  4. 自ら学び、自ら考え、自ら創り出し、自ら表現する力を育てる
  5. 国際社会に生きる人間としての資質・能力の基礎をつくる

大学までの一貫教育の大本として、一人ひとりが人として自立して生きていくための土台を作ることを目的としています。

早稲田実業初等部のカリキュラム

大学までの一貫教育

早稲田実業学校では、初等部・中等部・高等部から早稲田大学にかけての一貫教育を推進しています。

高等部までは内部進学制度が、高等部から早稲田大学へは推薦制度が用意されています。

この目的は、受験勉強に囚われないハイレベルなカリキュラムに沿って学習を進めることで、より高い学力や確かな目標が見えるからです。

また課外活動クラブ活動などにも力を入れ、豊かな人間性や広い視野を育てられ、今後の社会で貢献していくために必要なスキルの育成が期待できる、という考えもあります。

国際教育

1年生からネイティブと日本人教員のハイブリッドで英語授業を実施しています。

現代社会では、自ら情報を捉え、発信していく力が必要です。その先駆けとして、低学年から異国の言語や文化に触れ、日本との違いを比較しながら、コミュニケーション能力の向上にも繋げています。

特に、5年生では「英語と日本語の違い」を一人ひとりで調べて、留学生に質問しながら交流するカリキュラムも組まれています。

また、6年生では国分寺駅周辺や、社内で英語を使っている会社への見学もあり、英語の大切さを身に染みて感じられる貴重な機会です。

国際理解授業

3、4年生では、早稲田大学国際異文化交流センターの協力のもと、留学生と早稲田大学生によるペア授業を実施します。

留学生の出身地の言語で授業を行い、各国の文化や歴史、習慣などを楽しく学べるカリキュラムです。

オーストラリア・ホームステイ

6年生の希望者が参加できる「オーストラリア・ホームステイ」では、10泊11日間オーストラリアのブリスベンで生活を送ります。

現地校やホストファミリーの家庭でバディと共に過ごす有意義な時間で、6年間学んできた英語力やコミュニケーション力などを最大限活用できる機会です。

ハワイサマープログラム

1〜3年生の希望者が対象の「ハワイサマープログラム」では、夏休みの10日間現地校主催のサマープログラムに参加します。

英語学習はもちろん、演劇やウクレレ演奏、ダンスなどを通してハワイの文化や習慣に触れられるプログラムです。普段と家族旅行とはまた違った楽しみを味わいながら、様々な経験を積める機会となっています。

課外授業

早稲田実業初等部では実物に触れる・五感で味わうといった活動を重要視しています。

教室で座学として学んだことを自ら体験することで、更なる実感や納得につながるのです。

低学年では生活科、中学年以降は社会科・理科の授業と連携して、体験活動を実施しています。

稲作体験

5年生では6月に田植え、10月に稲刈りの体験学習が組まれています。

初めて田んぼに足を踏み入れたときは、ヌルヌルで大騒ぎになりますが、慣れてくるとみな楽しそうに田植えを行い、10月の稲刈りを待ち遠しく思うようです。

宿泊体験学習

自然や現地の産業・文化などに触れ、様々な体験ができるのが、3〜6年生を対象とした宿泊体験学習です。

それぞれの学年が訪れる場所について入念に事前学習を行うことで、より目的意識を持って参加できます。事後学習では、事前学習や当日の体験学習で学んだことや感じたことをまとめ、発表活動を行います。

宿泊地例
・3年生ー高尾の森
・4年生ー長野県駒ヶ根市の双日駒ヶ根校舎
・5年生ー長野県志賀高原
・6年生ー滋賀・京都

早稲田実業初等部の学校生活

クラブ活動

4〜6年生はクラブ活動に参加します。
一人ひとりが好きなクラブを選んで、楽しみながら異学年交流を行います。

選べるクラブは運動系・文化系ともに豊富です。

早稲田実業初等部の年間行事

早稲田実業初等部の進学情報

内部進学について

早稲田実業学校は大学までの一貫教育を推進しているので、原則として全員が中等部へと内部進学します。

また、中等部卒業時も全員が高等部へ進学可能です。

高等部では早稲田大学への推薦制度があり、ほぼすべての生徒が早稲田大学へと推薦入学しています。

その他の進学先としては、東京大学や東京外国語大学などが挙げられます。

早稲田実業初等部の学費

初年度にかかる費用は約1,436,000円で、内訳は以下の通りです。

  • 検定料 30,000円
  • 入学金 350,000円
  • 施設設備資金 300,000円
  • 授業料 756,000円

※その他、制服、運動儀、給食費などの費用がかかります


早稲田実業初等部の入試を徹底対策!

ここからは、早稲田実業初等部の入試情報について解説していきます。
実際に過去問題集を確認しての気づきや要点をまとめていますので、早稲田実業初等部の受験を検討している方はぜひご覧ください。

また、早稲田実業初等部の入試の概要は、入試要項で確認できます。
公式サイトにてチェックしてみてください。

早稲田実業初等部入試|募集要項・出願方法

早稲田実業初等部の入試情報

入試日程

早稲田大学初等部の入試は、一次試験二次試験に分かれています。
例年、一次試験11月上旬に、二次試験は一次試験合格発表後の11月中旬に行われます。

2024年度入学試験の日程は以下の通りです。

出願期間9/1(金)~ 9/27(水)
入学選考一次試験:11/1(水)~ 11/5(日)のうち指定された1日二次試験:11/8(水)~ 11/10(金)のうち指定された1日
合格発表一次試験合格発表:11/7(火)8:00二次試験合格発表:11/12(日)8:00
入学手続き~ 11/13(月)

定員・倍率

早稲田実業初等部の定員は108名で、内訳は男子72名・女子36名です。

2023年度の入試結果は以下の通りでした。

合格者志願者数倍率
男子(一次)126名(二次)80名567名7.1
女子(一次)65名(二次)45名448名10.0
合計(一次)191名(二次)125名1015名8.1

入試の概要について

早稲田実業初等部の入学試験は、一次試験二次試験に分かれています。
一次試験ではペーパーテスト・個別テスト・集団テストが、二次試験では面接が行われます。

ペーパーテスト

ペーパーテストはクーピーを使用した筆記試験で、訂正の方法は二重線です。

受験生はついたてで仕切られており、隣が見えないようになっています。

進学先が早稲田大学ということもあり、問題の難易度は私立小学校の中でもトップクラスに高く、問題数も8〜10問と少なくありません。
出題分野もさまざまなので、色々なパターンに慣れておくとともに、柔軟な思考力が求められていると感じます。

中でも頻出の分野は「話の内容理解」「図形」「思考・推理(法則性)」です。

<話の内容理解>
最も頻出の分野で、過去15年以上にかけて毎年2~3問出題されていました。

一般的な小学校と変わらず、お話を聞いて質問の内容に答えるといったタイプで、解答は選択形式です。
ただし、選択肢が似ていたり、「〇番目の〜」という聞かれ方をしたりで、正しく理解していないとややこしい問題が多いです。

とくによく聞かれる登場人物・順序・数・季節などには注目する癖をつけておけると安心です。

<図形>
「図形」も頻出の分野で、過去10年のうち8年出題されてました。

問題のパターンは「線対称」「図形構成・分割」「重ね図形」「立体図形」などさまざまです。
選択式ではなく、自分で書き込む形式が多いので、消去法が使えません。

過去問を解くのはもちろん、実際に作ってイメージを膨らませておくのも効果的です。

<思考・推理(法則性)>
「図形系列」「力のつりあい」や数の分野と融合した問題が頻出で、こちらも過去10年間で8回出題されました。

入試問題の中では比較的簡単な部類なので、確実に得点したいです。
制限時間が20秒程度と短いものもあるので、練習を積んで早く正確に法則性を見つけられるようにしておきましょう。

個別テスト

個別テストでは、例年「手先の巧緻性」「制作」「絵画」が課されます。
課題の内容は日程やグループによって異なります。

「手先の巧緻性」は、紐を結ぶ・洗濯物をたたむ・服をハンガーにかけるなど生活課題が頻出です。
日頃からお母さん・お父さんの手伝いを積極的にして、慣れておくことが大切でしょう。

「制作」は、粘土や紙をお題通りに工作する問題が多く出題されます。
幼稚園・保育園やおうちで遊ぶ中で、色々なものを作ってみる経験を積んでおけると安心でしょう。

「絵画」では近年「想像画」が出題されています。
映像や絵を見て、出てきたものやお題に沿って絵を描く形式です。

自由度が高いと、お子さんは何を描けばいいか戸惑ってしまいがちなのが、難しいポイントです。
日頃から何かしらのテーマに沿って、好きなものをお絵描きしておくとよいでしょう。

集団テスト

集団テストは「行動観察」「運動テスト」を併せたような課題です。
主に指示行動とごっこ遊び・ゲームの2パターンがあります。

<指示行動>
「リズム運動としながら、ケンパーやスキップなどの指示行動する」といった2つ以上の動作を同時に行う課題も出題されています。
基本の動き自体は難しくないので、落ち着いて取り組めるかが求められています。

<ごっこ遊び・ゲーム>
他のお友だちと一緒に相談しながら、役割やルールを決めて遊んだりゲームをしたり、といった課題です。
集団で相談するところがポイントで、意見を出す、まとめるなどの社会性が見られています。

知らないお友だちと関わることになるので、緊張しすぎないよう普段から多くの初対面のお子さんと遊ぶ機会を設けてあげましょう。

面接

10〜15分の親子面接の形式で、面接官が4人程度と多いのが特徴です。
質問はお子さんと保護者が交互に行われ、お子さんへの質問が多くなっています。

お子さんへの質問は特に難しい内容ではありませんが、自己紹介から幼稚園・おうちでのこと、好きなことなど幅広いです。
また、面接官が多いのでプレッシャーを感じて、戸惑ったり堪えられなくなったりすることもあるようです。
自信を持って自分の言葉で答えられるよう、練習しておきましょう。

保護者への質問はお子さんより少なく、志望動機や家庭教育方針、お子さんのことなどシンプルな内容です。
両親の間で意見が大きくズレていなければ、特に問題はないでしょう。

以下に質問例を載せておりますので、ぜひ対策の際の参考にしてください。

<質問例>
【お子さん】
・お名前を教えてください
・幼稚園/保育園は楽しいですか
・どんなことをして遊びますか
・いまどんなことを頑張っていますか
・お父様やお母様に褒められたこと/怒られたことは何ですか                    
・お父様やお母様の好きなところはどんなところですか
・小学生になったら何をしたいですか

【保護者】
・志望理由を教えてください
・早稲田らしさとは何だと思いますか
・お子さまの長所/短所はどこですか
・お子さまを粘り強く育てるために、どんなこと大切にしていますか
・電車でのマナーについて、お子さまにどのように指導していますか

まとめ

早稲田実業初等部は早稲田実業を通しての伝統と最先端の教育を併せ持つ、東京都の私立小学校です。

大学までの一貫教育に力を入れており、卒業後は中等部・高等部へと内部進学が可能です。
高等部からは早稲田大学への推薦制度があり、多くの生徒が推薦で早稲田大学へと入学します。

入試ではペーパーテスト・個別テスト・集団テスト・保護者面接が課せられます。
特に、ペーパーテストは私立小学校の中でもかなり高く、入念な対策が必要です。

家庭内の対策に不安がある方は、合格実績のある私立小学校専門塾などで対策していきましょう。

この記事を書いた人

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たむろぐ編集部

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